常緑樹と落葉樹って、何がちがう?

いちばんの違いは、冬に葉があるかどうかです。

落葉樹は、秋になると葉を一斉に落とし、冬は枝だけの裸の姿で休みます(休眠)。春になるとまた新しい葉を芽吹かせます。常緑樹は、一年中緑の葉をつけています(葉はまったく落ちないわけではなく、少しずつ入れ替わります)。

ちなみに、暖かい地域では常緑、寒い地域では落葉する「半落葉樹」もあります(ヤマツツジやアベリアなど)。

常緑樹(冬も緑)と落葉樹(冬は葉が落ちて裸)と半落葉樹の冬の姿の違いを示す図解
図1 冬の姿を見れば一目瞭然。葉が残るのが常緑樹、裸になるのが落葉樹です。
🐾 はるにゃさんメモ

見分けるなら冬がチャンス。葉をつけたままなら常緑樹、枝だけになっていたら落葉樹だよ。お庭の木がどっちかで、手入れの仕方が変わるんだ。

葉の入れ替わりのしくみ

「常緑樹は葉が落ちない」と思われがちですが、正しくは少しずつ入れ替わっているだけです。古い葉は2〜3年ほど働いたあと、新しい葉と交代して落ちていきます。だから常緑樹の足元にも、季節によっては落ち葉がたまります。

落葉樹は秋に一斉に落葉し、常緑樹は古い葉を少しずつ更新することを示す図解
図2 落葉樹は「一斉に」、常緑樹は「少しずつ」。葉の入れ替え方がちがいます。

落葉樹は秋に一斉に葉を落として冬を越し、春にまとめて芽吹きます。常緑樹は、新しい葉が出たあとに古い葉が落ちる、というゆるやかな交代をくり返します。この違いが、手入れの時期にも関わってきます。

剪定の時期がちがう

手入れでいちばん差が出るのが剪定の時期です。木のリズムに合わせるのが基本です。

落葉樹は冬の休眠期、常緑樹は芽吹き後と秋が剪定適期であることを示すカレンダー図解
図3 落葉樹は「冬」、常緑樹は「芽吹き後と秋」。厳寒期・真夏の強剪定はどちらも避けます。

落葉樹は「冬の休眠期」が基本

葉を落として休んでいる12〜2月ごろが、落葉樹の本格的な剪定の適期です。葉がないので枝ぶりが見やすく、どこを切るか判断しやすいのが利点。木の活動が止まっているので、太枝を整理しても負担が小さくてすみます。

常緑樹は「芽吹き後〜初夏」と「秋」

常緑樹は冬も活動しているため、厳寒期に強く切ると寒さで傷みます。新芽が伸びて落ち着いた4〜6月ごろと、暑さがやわらいだ9〜10月ごろに整えるのが基本。真夏・真冬の強い剪定は避けます。

🐾 はるにゃさんメモ

ざっくり覚えるなら「落葉樹は冬、常緑樹は初夏と秋」。ただし花の咲く木(花木)は、常緑でも落葉でも“花が終わったらすぐ”が安全だよ。

剪定の「強さ」と考え方がちがう

切る時期だけでなく、どれくらい切ってよいかもタイプで変わります。

落葉樹は休眠期に強めの剪定もしやすく、常緑樹は葉を残して軽めに切ることを示す図解
図4 落葉樹は休眠期なら強めの整理もしやすい。常緑樹は「葉を残して」が鉄則です。

落葉樹は「休眠期なら強めの整理もしやすい」

落葉樹には芽を吹く力(萌芽力)が強い種類が多く、休眠期であれば、込み枝の整理や切り戻しによる更新にも比較的よく耐えます。冬のあいだに骨格づくりや透かしをして、春の芽吹きにつなげます。とはいえ切りすぎは禁物。一度に全体の1/4〜1/3までが目安です。

常緑樹は「葉を残して」軽めに

常緑樹は葉で一年中養分をつくっているため、葉を一気に減らすと弱ります。特にマツやコニファーなどの針葉樹は、葉のない古い枝から芽を吹き戻しにくく、深く切ると枝先が枯れ込みます。常緑樹は「葉や若枝を残して、少しずつ」が基本。生垣や玉ものの刈り込みも、萌芽力のある種類に向く作業です。

🌿 切り方の早見
  • 落葉樹:冬に枝ぶりを見ながら、込み枝・徒長枝を整理。更新の切り戻しもしやすい。
  • 常緑樹(広葉):芽吹き後・秋に、葉を残して軽く。刈り込みは萌芽力のある種で。
  • 常緑樹(針葉):葉のない所まで切らない。マツは「みどり摘み・もみあげ」が基本。

針葉樹の代表・黒松の手入れは 黒松の剪定 で、切り方そのものの基礎は 剪定の基本 でくわしく解説しています。

水やり・肥料の違い

目に見えにくい部分ですが、水と肥料のリズムも少し変わります。

肥料の時期

落葉樹は、休眠中の12〜2月に「寒肥(かんごえ)」として元肥を与え、春の芽出しに備えます。常緑樹は、活動を始める春(芽吹き前)と秋に与えるのが基本です。どちらも与えすぎは徒長や軟弱の原因になるので控えめに。

冬の乾燥に注意(とくに常緑樹)

落葉樹は冬に葉がないため、水分の蒸散はわずかです。一方、常緑樹は冬も葉から水分を失い続けます。乾いた冷たい風(寒風)に当たると葉焼け・乾燥害を起こすことがあり、特に植えたての常緑樹は注意。極端に乾く時期は、土の様子を見て水を補い、寒風の当たる場所では風よけも有効です。

タイプ別・代表的な庭木

お庭の木がどのタイプか、代表例で確かめてみましょう。

落葉樹・常緑広葉樹・常緑針葉樹・半落葉樹の代表的な庭木を示す図解
図5 大きく「落葉樹/常緑広葉樹/常緑針葉樹」。半落葉は地域で姿が変わります。
🌳 タイプ別の代表例
  • 落葉樹:モミジ、サクラ、ハナミズキ、アジサイ、ジューンベリー など。
  • 常緑広葉樹:シマトネリコ、キンモクセイ、サザンカ、ツバキ、シラカシ など。
  • 常緑針葉樹:マツ、コニファー(ゴールドクレスト等)、イヌマキ など。
  • 半落葉樹:ヤマツツジ、アベリア など(暖地では葉を残しやすい)。

木の名前から特徴を調べたいときは プラント アニマルズ、似た木で迷ったら 似てる木の見分け方 もどうぞ。

まとめ

常緑樹と落葉樹は、「冬に葉があるか」という違いから、手入れの時期も切り方も変わります。落葉樹は冬の休眠期に枝ぶりを見ながら整理常緑樹は芽吹き後・秋に葉を残して軽めに。針葉樹はとくに深切りを避けるのがポイントです。

まずは、お庭の木が常緑か落葉かを確かめるところから。タイプがわかれば、適期も切り方も自然と決まってきます。切り方の基礎は 剪定の基本、その理由は 植物ホルモンと剪定 でどうぞ。

あわせて読みたい
剪定の基本 / 植物ホルモンと剪定 / 黒松の剪定

ホームへ →